2016年11月21日月曜日

カパリス 調査

今回私は今とある社会調査を今実施しています。
日本の内閣府が行なっている
「小学生・中学生の意識調査」を参考に質問紙を作り



カパリス、トコロ地域における
小学校4年生〜小学校6年生を対象に
将来に対する意識調査を行なっています。



自分が調査において大切にしてることは
・現地語で自分の調査におけるスタンスをはっきり喋り、ラポール(対象者との調査における協力関係)を構築すること
・対象が教育を満足に受けてない家庭やその子供に対する調査であるため調査用紙と質問紙を見せたり、書き込む前に自分が記録しようとする回答を間違ってないかをその都度確認する
・ブケディア県から調査の許可を正式に得て、その日の報告を欠かさないようにしていること
です
・フィールドノートを取り、word形式にしてまとめる
という、以上4つです。




そしてまだ途中ですが面白い結果が得られたので中間の報告します。
生徒に家庭での生活で考えられる家事(household work)を選択肢としていくつか上げて1番好きな家事(the most positive)、1番嫌いな家事(the most negative)を選ばせたところ、
1番嫌いな家事に調査した生徒の半数以上が
○沼で魚を捕まえる仕事(fishery work)を挙げていた。



②下記の考えをどう考えるか
・私たちはできるだけ早く親から経済的に自立するべきである。
(We should be an economically independent from our parents as soon as possible.)
に対し、回答した全生徒(現段階で9/9の生徒)が
そうは思わない(I disagree with that idea.)
と回答した。



①について生徒に理由を追及したところ
回答した答えが
・学校のない土日に、ご飯もなにも食べずに一日中沼で作業するから
・沼にいる蛇に噛まれるから
・沼の水が石油などにより、汚染されてるから
・沼から家までの距離が遠すぎて、通いたくない
との回答がありました。



魚はこのカパリス地域の人たちにとって貴重なタンパク源でもあり、現金収入源です。
生きるためにその仕事の一部を子供たちが担っていて、それには大きな危険や負担が伴っていることを改めて知りました。
それによってカパリスの人たちの暮らしぶりがまた深く理解できたと思います。



次に②で
回答に対する理由も重ねて尋ねたところ
皆が皆、親から経済的に自立するのは難しいからと考えてるから
だということがわかりました。
これには仕事に関する考え方と家族に対する考え方2つが関わっていると考えています。



ウガンダにおいては8〜9割の人口が農業を営み、そして約6〜7割の人が自営業を営んでいます。
ブケディアだと住居がそのまま働く場所(農園)っていうのも当たり前の光景でした。



また
ウガンダの家族形態のほとんどが日本の核家族と違って、拡大家族です。
仮に世帯を持ち、仕事を持ったとしても自分の親世代と一緒に生活する世帯が多いです



働くことが生活と密接に関わり、地元の人間と一緒に結婚して、家族とともに人生を過ごすというライフスタイルは日本のライフスタイルと比べることが全くできません。
先進国的な経済的自立という考えも、このライフスタイルに当てはまるかと言われたら正直首を傾げちゃいます。



またこの質問は上に述べた世界青少年調査を参考に作成しましたが、この調査自体、世界とはいえ先進5カ国のみで行われているものであるため、ウガンダでの人たちの生活にあった質問ではないのではないか、調査におけるバイアスも否定できません。



ただどんな社会調査も万能ではありません。
人が関わる以上バイアスはどうしても入り込みます。
それでも僕らは信じた仮説を持ち、try and errorを繰り返し真実を解き明かしていく
その姿勢を忘れてはいけないんだと思います。



もちろん、仮説そのものを捨てる勇気も必要ですが。
んーむ、難しいですが、充実してます!

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